糞便移植とは?実施病院はどこ?

便移植は腸内細菌の働きに注目した最新の治療法

糞便移植(便微生物移植)とは健康な人の便を直接腸に注入する治療方法のこと。
にわかには信じがたいこの方法で、難病を劇的に改善するケースが確認されており、最新治療方法として脚光を浴びています。

腸内フローラのバランスが整っていると全身の健康も良好に保てると盛んに言われるようになりましたが、腸の病を患っている人の多くは、この腸内フローラのバランスがかなり悪いとされています。

糞便移植は健康な腸内細菌フローラごと移植することで、腸内環境が一新されると同時に病気も快方へ向かうという、原始的な方法ともいえます。

アメリカでは既に一つの治療方法として実施されていますが、日本ではまだ治験段階。とはいえ、いくつかの症例がテレビで紹介されることも多くなっています。

「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」では、便移植療法を受ける患者さんを紹介。

50代の女性、大腸炎を患い6年間経過、3回の入退院を繰り返し、日中20回もの腹痛と便意を催し、日常生活もままならなかったのですが、便移植を受け、劇的に症状が改善しています。

担当医は、便移植のパイオニア、順天堂医院の石川大医師。石川医師が説明してくれた具体的な便移植の手順は

  1. ドナー(健康な人)の便を300㏄の生理食塩水で溶かす
  2. 不要な固形分をフィルターでろ過
  3. 患者のお尻から内視鏡を使い、一番奥の盲腸付近へ2の液を注入する

というもの。便移植といっても、便を注入するだけということです。

石川医師によれば、盲腸付近に注入された便液が大腸内を通過する際に、よい菌が棲みつき、腸内細菌叢を改善していくとのこと。

前述の女性は便移植後、すぐに腹痛や便意が起こらなくなる程劇的に効果があったそうです。すごい威力です。

気になるのは「誰の便を使うのか?」ということです。

現在ドナー(便を提供する人)には

  1. 20歳以上
  2. ウィルスや寄生虫感染がない健康な人
  3. 患者本人が認めた人

という条件があります。

3は今まで、二親等以内という条件でしたが、安全性が確認されたので、患者がいいと言えば他人でもOKになったそう。前述の女性は実妹に依頼したようですが、今後は知人でも引き受けてくれればドナーになってもらえるということです。

便1g中には100億個の細菌がいるといわれますが、空気に触れるとどんどん変化し、嫌気性菌は死んでしまいます。この為、石川医師はフレッシュな便、排便後6時間以内の便を使っているそうです。

アメリカでは冷凍保存している便を使っていましたので、日本独特の方法なのかもしれません。

今後は国の認可をとれるよう、多くの患者さんを治療できるように研究を進めていくようですが、更に、潰瘍性大腸炎だけでなく、うつ病や糖尿病、メタボリック症候群等様々な病気の治療への応用も始まる可能性があり、既にアメリカではうつ病や自閉症の治療への研究がスタートしています。

尚、現在、日本国内で便移植を実施している病院は極めて少なく、管理人が調べてみたところ

  • 順天堂大学医学部消化器内科
  • 慶応大学病院
  • 千葉大学医学部附属病院
  • 滋賀医科大学医学部附属病院消化器内科
  • 藤田保健衛生大学病院

くらいしかインターネット上で見つけることができませんでした。
今後の普及が待たれる治療法です。



このページの先頭へ